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葉挿しについて

長年セントポーリアを育てて来て…、どうしようも無いセントポーリア好きの性と申しますか、増えることはあっても減らす事が出来ない殆ど病気だと言っていたかつての私が、花友さんに良い苗を取る為の提案をしたいと思います。


葉挿しした苗を増殖させない方法

※ ここでは業者の方・メルカリ・オークションなどで営利を目的としている「以外の方」を対象に綴らせて貰いました。

農業用語に『苗半作』という言葉があります。『苗の出来によっては作柄の半分が決まる。』『良い仕事(苗作り)をすれば結果は必ずついて来る。』という常識的な考えです。その為には、どの様な苗を育てるかによるという事です。

葉挿しに関しては、人それぞれと思います。私なりに栽培スペースの事も考え、他にも色々したい事があり、苗を世話する事に時間を取られたく無く、なるべく葉挿しはしない事にしていますが、どうしても無くしたくない、花友さんからのリクエストがある場合にだけに、この方法で少しですが葉挿しをしています。

葉挿しをする

左上から、セミミニ種の5枚挿し、右上のマイクロミニの葉12枚、下の葉はどうしても無くしたくないトレイル種の葉3枚。

挿している葉も、出来の悪い葉は途中で間引きしています。

間引きをする(別の品種です)

葉挿し後、影になる親の葉は事前に取り除いています。間引きをする前の状態 (オプチマラ種:ガール葉のナッシュビル)

生長の良い苗は2号黒ポットに残す。

黒ポットから出しての移植ではなく、一番育ちの良い苗を残し、生長の遅い苗はポットから出し、可哀想ですが廃棄します。黒ポット内の根を動かしませんので、鉢・土もそのままの状態で良く、且つ生長も早い訳です。
1週間前に種をまいた大根の間引きと同じですね。本葉が出ましたら1本にします。

苗を移植する場合

赤い矢印の細根(髭根)の方が大事。黒い矢印の長すぎる直根はカットして植え替えすると、鉢の中での座りがよくなります(品種名: 原種オリジナル10のうちの 「NO.32」)

セントポーリアは生育していく過程で、葉と葉の間に根を発根しながら生長していく植物です。○印の細根(髭根)が、株を大きくして行くうえで大切な根です。植え替え時、直根が長ければそちらの方をカットする事の方が重要なのです。
また、大きくなる事を見込んでの鉢選びは根腐れの原因になります。ひと手間が掛かるかもしれませんが、葉の広がりではなく根の量に合わせ鉢選びをすると失敗はありません。鉢は小さい方が根の活着も早く健全な苗が取れます。

今年4月に花友さんから譲って頂いた貴重品種の葉、オプチマラ種:ガール葉の「ナッシュビル」と、オリジナル10のうちの「NO.32」の苗が取れました事をここに報告いたします。

※ (原産地)においてセントポーリアは植え替えする事がないのであって、シダや蘭のように葉と葉の間の細根が横に広がり繁殖して行き、直根である根は淘汰(腐れ)され生き延びている。    「セントポーリア事典」前川静江著より

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