– 花好きの集まる場所 –

セントポーリアの事

セントポーリアの再ブームとなり、新たに始められた皆さんに、セントポーリアの特性を知って頂くために綴りました。
セントポーリアは、ラン、シダと同じく上根で育つ植物です。本茎を大事に育てていると、いずれは、根腐れの原因になります。(今年、苗交換をさせて頂いた花友さんから了解を得て、題材に使わせてもらいました。)

(株を育てる上で根が如何に大事か!)

〜寒天挿しをする〜

フロステイットデニム(ミニ種) 4月28日入手

本茎の一番下の黒い部分が腐れています。

少し本茎を残す事も考えましたが、全てカットする事に致しました。

6月9日に不要な本茎の部分を全てカットし、寒天挿しにする。6月28日、下の写真のように、約3週間で葉と葉の際に根が下がってきました。

寒天挿しでの根出しは容器の外から目で見る事が出来る。
6月28日に、1号黒ポットに根出しした苗を植え付ける。

その結果

本日(7/14)のフロステットデニムです。

左は6月28日に植え付けた株。右は4月30日に寒天に葉挿しする。

左の株が育たなかった時の事を考え、6月10日に寒天容器から出し右の黒ポットに葉挿しをしておきました。

〜水挿しをする〜

キャニオンズ タンザナイトスモーク(6月9日入手)

この株は、6月30日に植え替えをする時に見つけました。

下の根があるのに中間の根が無い状態。
やはり、この株も下の部分に根腐れを見つけました。

本茎をカットします

6月30日に思い切って本茎をカットしました。

ナイロンストッキングの紐を葉に交互に絡ませ、メネデールの100倍に薄めた水に入れて置く。

それから

約一週間で発根しました。その後、2週間経過した現在の根の状態です。

メネデール液を入れた水の中
しっかりと発根している。もう暫く、この状態で管理します。
これだけ短期間に発根するセントポーリアです。このことからお分かりと思いますが、セントポーリアは意外と強い性質を持っている植物です。その事を踏まえて、

〜クラウン挿しにする〜


生長している成株のクラウンをカットして、直接用土に根づかせる方法です。古くからの友人でご主人の転勤のたびにこの方法で実際に実行されていて、「長い事セントポーリアを続けてこられたのは、この方法のお陰」と話されていました。
インスタグラムでも、外国の方がこの方法を紹介されていました。

◉ セントポーリアは熱帯性の植物で、充分な湿度・光があれば、葉と葉の付け根から新しい根を、空気中にでも伸ばします。(その状態は湿度を上げ※促成栽培をしている農園の温室でも、また、湿度をあげることの出来るフラコンケースをお持ちの方も体験済みです。)

※ 促成栽培: 加湿や保温によって作物の生育を早める栽培方法。

つまり、セントポーリアは、ランやポスト、シダ類と同じで熱帯性の植物なのです。

〜通常の植え替え〜

従来の植え替えの時に本茎を約1cmくらい残しての植え替えをして下さい。その時、鉢の中の株の葉と葉の際の根が育っていないとなりません。ワサビ状の茎にしない育て方をする事が大事です。

わさび状の茎にしない為には、水やりの時に絶えず鉢の中の土が足りているか確かめ、足りていない場合は、必ず「増し土」をし、鉢内のケアをしてやって下さい。

セントポーリアは、小さな鉢の中でしか生きていけません。セントポーリアにとって、「葉の際の根は命を繋ぐ大切な場所」です。
セントポーリアに増し土をしてやり、植え替えの時は、不要な根茎をカットしても、上根が育っていますので植え替え後の根の活着が非常に良いのです。

セントポーリアの特性を知り、「根腐れなんか怖くない!」と言う思いで、セントポーリア栽培を楽しまれる事を望みます。

セントポーリアの育て方は人それぞれです。ただ、花を見て楽しむ人、株作りをしてから花を楽しむ人、苗作りが得意な方、交配により新品種作出に挑戦をし楽しんでいる方とか、いろんな方がいてみんな良いです。どうぞ、セントポーリアを楽しんでください。