– 花好きの集まる場所 –

〜咲いている花たち〜 (2)

手術を決めてから10月は入院準備と忙しく、11月は病院のベットの上での生活でした。11月下旬に退院し帰宅後、リハビリの意味でも無理をしない程度に、日々の生活を送っていました。セントポーリアのお世話も今では出来るようになっています。

どんどん、セントポーリアが咲いている。

植え替えします。その前に撮影。全て8ヶ月以上植え替えしていない苗・株です。

夫の転勤で十勝を離れ、40Wのツーライト棚と70鉢のセントポーリアを連れて、いろんな地でセントポーリアを育て楽しみました。北海道とは違い、どうしようも無い夏の暑さ(猛暑日・熱帯夜)の中、エアコンは付けていても、夏は敢えて花は咲かせず株を養生(維持)させようと割り切り、あの頃、水泳、トレーニングなどに通っていました。消毒は年に4、5回程度で、病害虫に悩まされる事はなかった様に記憶しています。
環境の違うそれぞれの地に住んでいても、セントポーリアは少しの我慢(花を咲かせない)をさせると株が良く育ち、毎年、クリスマスを境に前後6ヶ月間ぐらい呆れるほどに咲いていました。
北海道に帰ったらセントポーリアは、100株より多くしない方が管理も楽で目が行き届くので、増やさない育て方をしようと…、その時は思っていました。

十勝に帰って来て、もう、引っ越しする事がない、スペースはある。綺麗に咲くセントポーリアの花を見つけたら、もう、どうしようも無いセントポーリア好きの性ですね。殆ど病気と言うか、意識して増やさないでいた時期が長かったその反動で、一気に増えてしまった過去があります。(現在は107品種、株数151株)

今年の我が家の花棚は、例年に比べますと…、彼の地にいた時以上に咲いてくれています。お正月に集まった家族には、「セントポーリアって構わない方が咲くんじゃない」と言われてしまいました。

セントポーリアを育てる上で

令和3年6月21日、脇芽よりの初開花 ブルーヘブン(キメラ)
「セントポーリアの育て方は人それぞれです。」
日本列島は長いので、住んでいる地域・気候も異なる訳で同じにはなりません。

『 咲いています(1) 』でもこの事に触れましたが、少ない数で楽しまれている方は、毎月の消毒は必要ないと思います。それぞれの事情がありますし、根腐れなどのトラブルを起こした時は割り切って、次の株を購入しセントポーリアを自然光でたくさんの花を咲かせ楽しむ事に限ります。その為に「お花屋さん」はあると思うからです。

令和3年3月27日入手 Vat-Light in the night(夜の光)

個人で苗交換される場合

私自身消毒に関しては、自分のためにも相手の事も思いやる意味でも「発送前消毒」は必ずしています。

目で確認できる虫に対して、水を入れた1ℓのペットボトルに、オルトラン水和剤(殺虫剤)を1袋+サプロール乳剤(殺菌剤)1cc入れ、1000倍に希釈して消毒をします。その後、新聞紙(1日分の厚さ)の上で3、4日鉢を良く乾かしてから発送する。(薬剤は用土内に流し込む。)

但し、ダニに対しての殺虫剤は別物で、目で見ることの出来ないダニなどによる中心葉の萎縮とか、病気を疑う中心葉の毛羽立ちなど、各自の判断が必要となります。毎年、6月〜8月頃のダニ(虫)の発生が疑われる季節に、湿度の多い梅雨の時期(病気)の対策としての消毒には、コロマイト乳剤(殺虫剤)+サプロール乳剤(殺菌剤)を水を入れたペットボトル1ℓに0、75㏄ずつ入れ1500倍液で消毒します。いずれの場合でも、必ず、消毒日をビニールテープに記録し、鉢に貼っておくと便利です。株・苗の交換時にいつ消毒をしたかが分かり、お互い安心してセントポーリアを楽しめると思います。(薬剤は用土内に流し込む。葉にもスプレーする)

平成26年10月7日入手のグリッターサプライズ 優しいピンクが好き過ぎてスペアが育っています。

セントポーリアの育て方は人それぞれです。

私の場合、毎年、自分で決めた年間スケジュールどうりに消毒・肥料をやりをしています。コロマイと乳剤の効果・薬害についての説明書には、年1回の散布との注意書きがあります。そこで、ダニはいませんがダニの発生時期(6〜8月)には予防の為、コロマイト乳剤+サプロール乳剤(殺虫・殺菌)での消毒を心掛けています。
しかし、他から持ち込んだと分かった時、あきらかにダニの被害と分かった時点での消毒はその限りではありません。コロマイト乳剤の使用は年1回ですから、それ以外の殺ダニ剤を購入して散布しなくてはなりませんのでご注意下さい。

年2回の植え替え前に必ず行う「事前消毒」をしています。鉢内の古い用土には肥料・消毒薬等を与え続けていた事で、鉢の上の淵に塩分(茶色のザラザラした物)がこびり付いています。その事で土の中が酸性化しているかが分かります。

セントポーリアを植えている鉢内の環境は、PH 6〜6、5(中性)が望ましいと言われています。その為にも鉢内の「事前消毒」をしてのち、鉢内の土が充分乾いた頃に新しい用土での植え替えとなります。
植え替え後の、根が弱っている株・苗をケアする為に、す早く回復させるための ※メネデール100倍液(水1ℓにキャップ一杯)を与えます。

その後、鉢内が乾き、植え替え後初めての水やりをするとき、用土のPHバランスを中性に引き上げてくれるハイフレッシュ(土壌改良剤)ペットボトルに水1ℓに対して1gを入れ攪拌し鉢内に流し込み、セントポーリアのための環境を整えてやります。(ウイック式の場合:上からも流し込み容器の下からも吸わせます。)

※ HB101の効能について(※メネデールとの違い)
 ⚫︎HB101は杉や桧の間伐材の絞り汁にオオバコエキスなどを混ぜたもので、植物に直接作用する成分は検出されていません。しかし、土壌の微生物には作用して結果作物が育つと言われています。
 ⚫︎メネデールは、植物のホルモンに直接作用する金属成分が含まれている。つまり、土ではなく植物に直接作用されることで長い間使われている活力剤です。
畑などはHB101、鉢花はメネデールと使い分けるとなっていますが、いずれにしても、植物にとって良い作用をもたらしてくれる共通点がありますので、セントポーリアにも良いと思います。

10月末、全ての株の花摘みをしていて…、大切な花のストークを寒天に挿して行きました。

私たち、一般愛好家は営利を目的として育てていません。毎月の消毒は、仕事を持っている方、子育て中の方、持病を持っている方、小動物を飼っていられる方などには消毒をする行為は負担でもある筈です。

但し、鉢数の多い方とか、オークション、メルカリに出品される方、ショープランツを楽しむ方にとっては、セントポーリアの消毒は必要不可欠で大事な事です。

セントポーリアって、蛍光灯で育てる花、消毒をしなければ咲かないとか、決め事が多く難しい花と敬遠されています。こんなに可愛い花なのに、敷居が高いと思われている事を残念に思います。

セントポーリアは、「人が快適と思う環境が好き」で蛍光灯がなくても自然光の下でも良く育ちます。夏の暑さ厳しい酷暑の地でも、また、冬の寒さ厳しい北国でも室内で育て、楽しむ事が出来るお花なのです。

令和4年1月3日 手入れ不足で、行儀の悪い葉(株)で恥ずかしいのですが、咲いているお花だけ見て下さい。(蛍光灯の下で育てていたものを集めて撮影する)

セントポーリアを楽しみましょう

毎月の消毒は営利を目的としている専門家である業者さんや、皆様にお任せましょう。
どうしてもお譲りたいのでしたら、必ず「発送前消毒」をされますようお願いいたします。届いた側も、その消毒日を確かめてから後に「到着後消毒」をされると、尚、良いでしょう。

トラブルを抱えた場合の対処の仕方もあり、病害虫発生初期の段階であれば直してやる方法もあります。壊滅的な株となった場合は、ご自分の環境を疑い考えましょう。又、ダメージ負ったその時は、それはそれで自身の経験とし受け止め、諦める事に致しましょう。
どのような栽培方法(情報)でも自分の環境に合う育て方なのかと考える事が大事です。全てを鵜呑みにし真似るのではなく、よく考えストレスのない育て方をして頂きたいと思います。(育て方に絶対という育て方はありませんので)

セントポーリアは難しい花ではなく、心癒される優しい色の “楽しめる花” である事を、これからも発信していきたいと思います。